キロネックスとは?猛毒をもつ最強クラゲの生態を解説!

泳ぐ姿が美しいと人気のクラゲ。しかし、地球上には人をも殺してしまう、猛毒を持った最強のクラゲ「キロネックス」が存在しています。数あるクラゲの中で、キロネックスがなぜ最強と言われているのか。その生態について徹底解説していきます。

キロネックスとは?猛毒をもつ最強クラゲの生態を解説!のイメージ

目次

  1. 1キロネックスとは地球最上級の毒をもつ殺人クラゲ
  2. 2キロネックスの生態
  3. 3キロネックスの毒性
  4. 4キロネックスの天敵とは?
  5. 5キロネックスの不思議
  6. 6キロネックス以外の猛毒をもつ海の他の生物
  7. 7被害を最小限に抑えるには
  8. 8海を満喫するために

キロネックスとは地球最上級の毒をもつ殺人クラゲ

皆さんは、キロネックスというクラゲを聞いたことがあるでしょうか。キロネックスは、地球上で最も強い毒を持つ最強のクラゲだと言われています。

人間がキロネックスに刺されてしまう事件も度々発生しており、その猛毒によって命を落としてしまうこともあります。そんな恐ろしいキロネックスとは一体どんなクラゲなのでしょうか。今回は生態について紹介していきます。

キロネックスの生態

キロネックスという名前は属名であり、正式名称はオーストラリアウンバチクラゲといいます。1955年1月にオーストラリアのクイーンズランド州でHugo Flecker医師によって発見され、医師の名前をとってキロネックス=フレッケリという学名がつけられました。

キロネックスが持っている猛毒は世界で最強クラスであるため、英名ではシーワスプ(海のスズメバチ)と呼ばれており、実はキロネックスという属名もcheiro(手)nex(殺人者)に由来しています。

主な生息地

キロネックスは主に、インド洋南部からオーストラリア西方近海、西太平洋全域の温暖で浅い海に生息しています。特に、最初にキロネックスが発見されることになったオーストラリア近海で多く発見されています。また、海だけではなく、産卵期には淡水の河川に移動する習性も持っています。

最近は日本にも存在する?

日本でのキロネックスの出現はまだ確認されていません。しかし、キロネックスは温暖な海に生息するという生態を持っているため、温暖化による海水の温度上昇が進めば日本にも流れ着き、出現する可能性があると言われています。

キロネックスはハコクラゲの一種

キロネックスはクラゲの中でもハコクラゲ類という種類に分類されます。ハコクラゲは別名立体クラゲとも呼ばれ、箱型の傘を持ち、葉状体という葉のような形の触手の基部を持っています。その基部から何本もの触手が生えているのです。

そして、強力な毒を持っているクラゲはほとんどハコクラゲ類に属しています。今回紹介するキロネックスの他にも、毎年夏に沖縄県の近海で被害を出しているハブクラゲなどもハコクラゲの一種です。

キロネックスの形状

キロネックスの体は大きく、ハコクラゲ類でも最大種として分類されています。傘は30cm〜50cmで、バスケットボール大の大きさです。葉状体から伸びている触手は最多で15本、最長で4.5mになる場合もあります。

体は全体的に半透明で、海の中にいると視覚での確認は困難です。キロネックスは体が大きいものの、体が半透明であるがゆえに近づかれても気づくことができないのです。

キロネックスの毒性

地球上で最強の猛毒を持っているキロネックス。キロネックスに刺されてしまうと、体に激痛が走り、刺された部分が壊死し始め、視力低下、呼吸困難、心停止を引き起こし、10分も立たないうちに命を落としてしまう危険があります。

刺された部分が小範囲であれば死に至らないことが稀にありますが、その場合でも数週間激痛が続き、痛々しい傷口が消える可能性は低いです。

では、なぜここまで強い毒を持っているのでしょうか?それには、主に2つの理由があると考えられています。

獲物をとるために使われる

毒を使う理由として、1つ目に獲物を捉えるために使います。毒を使って自分の獲物である魚や大型のエビなどを刺し、瞬時に動かなくさせるか、殺すことによって捕食します。

自己防衛に使われる

2つ目に、自分を守るために毒を使います。キロネックスは獲物を捕らえた後、一瞬にして麻痺させたり殺してしまいます。もし一瞬にして獲物を殺せない場合、獲物はどうするでしょうか?獲物は逃げるために必死で「もがく」のです。キロネックスはこの「もがく」が嫌なのです。

最強クラゲのキロネックスでも、獲物がもがくことによって、自分のデリケートな触手が傷ついてしまう。ならば大量の毒を使用して一瞬にして動かないようにしてしまおう、ということなのです。

キロネックスの毒の被害者数

キロネックスの毒によって命を落とした人は、1884年以降で少なくとも5,567人以上にのぼります。刺された瞬間痛みに耐えきれずショック状態に陥り、そのまま海の中で溺死したり、岸にたどりつく前に心臓麻痺になり死亡したという例があります。

キロネックスの被害が多い場所では、侵入を防ぐよう、ネットを張るなどの対策を行っているようですが、いまだに被害は後を絶ちません。

「殺人クラゲ」に刺された傷跡

キロネックスに刺されると、体に大きな傷が残ってしまいます。
キロネックスの触手は長いため、その触手の跡が赤く残ってしまうのです。

実際に見てみるとその被害が甚大だということが感じられます。
キロネックスに刺された生々しい傷跡がこの動画に載っています。かなり痛々しいので、苦手な方は見ないことをおすすめします。

キロネックスの天敵とは?

キロネックスは地球上で最強のクラゲと言われていますが、実は無敵というわけではありません。強力な毒によって人をも殺してしまう最強なキロネックスにも、天敵がいます。キロネックスの毒はほとんどの生物によって有害ですが、ある生物には効力を持たないのです。

 

なんとウミガメには勝てない

その生物は、ウミガメです。キロネックスは最強の毒を持っていますが、刺しても毒針がウミガメの厚い皮を貫通することができません。そのうえ、ウミガメはクラゲを捕食する生物なので、キロネックスに毒があろうが捕食してしまいます。キロネックスにとっては毒も効かず、食べられてしまう生物のため、ウミガメが一番遭遇したくない生物なのです。

キロネックスの不思議

猛毒を持つ、最強の殺人クラゲの生態を解明するため、多くの学者によって研究が進められてきました。その研究の中で、なんとキロネックスには毒だけでなく、他にも解明できない様々な不思議があることが発見されました。

キロネックスは進化したクラゲ

キロネックスの体の構造や身体能力は、クラゲの中でも驚異的に発達していたのです。その発達は他のクラゲと比べても並外れており、キロネックスは「進化したクラゲ」とも言われています。この驚異的な発達も、最強と言われている所以の1つです。

しかし、なぜここまで発達したのか、現在はまだ解明されていません。ここでは、その並外れた能力の中でも、他のクラゲとは比べ物にならない生態を紹介していきます。

進化①自ら進むことができる

皆さんがよく目にするクラゲはどのような泳ぎ方をしているでしょうか?ほとんどの方が想像する泳ぎ方は、ふわふわと上に向かって泳いでいる姿でしょう。彼らは、波の流れに乗りながら泳いでいるのです。

しかし、キロネックスは自ら前進することができるのです。前進するどころか、自ら向きを変えて泳ぐこともできます。さらに、そのスピードも驚くべき速さです。

キロネックスは高い遊泳力を持っているため、1秒間に1.5mも進むことができます。全長約5mある殺人クラゲが1秒に1.5mの速度でこちらに向かってくると考えると、恐ろしく感じるでしょう。

進化➁6個1組で24個の目を持つ

キロネックスは早く泳げるだけではありません。キロネックスが持っている目にも驚異的な進化が見られます。

まず、私たちの一番身近にいるであろう「ミズクラゲ」を例にとってみましょう。水族館でもよく目にする種類です。ミズクラゲは16個の目を持っており、その機能はかろうじて光を感じ、明暗を見分けられる程度です。

では、キロネックスはどうか。キロネックスの持つ大きな傘には、四方に6つずつ、計24つもの目があります。この目をロパリウムと言い、角膜・レンズ・ガラス体胞・網膜・虹彩を持ちます。この構造は、なんと私たち人間も分類される脊椎動物の眼の構造に似ているのです。

このロパリウムは、色彩がわかるほど発達はしていませんが、色の明暗を判断することくらいは容易であると判明しています。また、重力を感知することができ、自分の進行方向も把握できていると考えられています。

一説では、これらの能力が発達したのは、天敵であるウミガメから捕食されないためであると言われています。しかし、本当の理由はまだ解明されていません。

そして、さらに不可解なのが、キロネックスには脳や中枢神経がないということです。目から入る情報によって、障害物を避けることができるということは解明されていますが、それを体のどこで処理・判断しているのかが分からないのです。

キロネックス以外の猛毒をもつ海の他の生物

もちろん、海に住む危険な生物はキロネックスだけではありません。日本にはまだ、キロネックスに匹敵するくらいの危険な生物が潜んでいます。

ここでは日本で被害があった危険生物を4種類紹介します。キロネックスよりも遭遇する確率が高いため、これらの生物に遭遇したら速やかにその場から離れましょう。

猛毒生物①カツオノエボシ

カツオノエボシもクラゲの一種です。しかし、クラゲといっても海中にいるのではなく、常に気泡体が水面に浮かんでいます。その気泡体は青く透き通り美しいため、ついつい近づいてしまいそうになります。

しかし、美しい見た目に反してこのカツオノエボシも強力な毒を持っています。刺されると激痛が走り、ひどいミミズ腫れや炎症を起こします。この激痛が電気が走るように起こるということから、「電気クラゲ」とも呼ばれています。この呼び名であれば知っている方もいるでしょう。

また、カツオノエボシに2度刺されるとアナフィラキシーショックを起こし、最悪の場合死に至ってしまいます。定期的に湘南や鎌倉の海で目撃されていますので、綺麗な見た目だからといって安易に近づくのはやめましょう。

猛毒生物②ハブクラゲ

ハブクラゲはキロネックスと同様ハコクラゲ の一種です。名前の「ハブ」は毒蛇のハブのことで、この名前からわかるように、ハブクラゲも猛毒を持っており、2009年にはキロネックスと同じ属に分類されるようになりました。

ハブクラゲは日本近海に生息するクラゲの中でも特に危険な種類です。ハブクラゲに刺されるとミミズ腫れになり、ミミズ腫れが水疱へ、最終的には刺された周辺の組織が壊死していきます。

主に沖縄や奄美に生息しており、平成29年には沖縄県内でクラゲに刺された被害件数のうち44%がハブクラゲによるものでした。ハブクラゲによる被害は6月〜9月にかけて多発します。この時期に生息地付近の海に出かける際は十分注意しなければなりません。

猛毒生物③オニヒトデ

サンゴを捕食する大型のヒトデで、主に沖縄や奄美付近に生息します。2001年から2005年までに奄美で大量発生し、サンゴに壊滅的な被害を与えました。

このオニヒトデはサンゴを捕食するだけでなく人にも危害を与えます。実際に、2012年4月24日、沖縄県の海でダイバーがオニヒトデに刺され、死亡しています。

オニヒトデの体の表面は太い針で覆われ、刺されてしまうとその針に含まれている毒素によって激しい痛みが生じ、ハブクラゲと同様、アナフィラキシーショックを起こしてしまいます。亡くなったダイバーも以前に1度オニヒトデに刺されており、死因はアナフィラキシーショックによるものでした。

主な生息地は沖縄県付近ですが、実は黒潮に乗り本州にも上陸しており、徳島県、三重県、東京都でも目撃されています。

猛毒生物④オニダルマオコゼ

オニダルマオコゼはオニオコゼ科の一種で、日本では小笠原諸島や沖縄県近海に生息しています。オニオコゼ科はヒレに非常に強い毒針があるのが特徴で、その中でも特に猛毒を持っているのがオニダルマオコゼです。

小魚や甲殻類を捕食し、獲物を捕まえるために浅い海で岩に擬態したり、砂の中でじっと動かず獲物を待ちます。この獲物を捕獲する方法が非常に厄介です。

なぜかというと、上手く擬態する上に動かないため気づかず近づいてしまい、誤って踏みつけたり触ったときに刺されてしまうのです。現在でも、沖縄県では年に10件ほど被害が出ているため、沖縄など、南側の海に行くときは足元にオニダルマオコゼがいないか確認する必要があります。
 

被害を最小限に抑えるには

これらの危険生物に被害を受けないためにはどうしたら良いのでしょうか。そもそも海に行かないという方法が一番なのでしょうが、それは極端な話でしょう。夏になれば海にも行きたくなりますし、リゾート地に旅行に行けば海に入る機会は増えます。

海に近づけば遭遇する確率は高くなる。では、遭遇した時にどうすれば被害が最小限になるかを考えてみましょう。

1つは、ウェットスーツなどの肌を露出しないものを着るということです。キロネックスを例に挙げると、キロネックスは皮膚に触れなければ刺胞は発射しません。

2つ目は、刺された場合の対処法を知っていることです。キロネックスやハブクラゲであれば速やかに陸に上がり、刺された部分に酢をかけると効果的です。そうすることで、絡み付いていた触手が取り除けるようになります。

海を満喫するために

いかがだったでしょうか。キロネックスだけではなく、海には様々な猛毒を持つ生物が生息しています。今まで被害に遭ったことがないから、と他人事と思っていると、いつ被害に遭うかわかりません。

海を楽しく満喫するためには、安全の確保は欠かせません。海には危険生物が潜んでいて、もしかしたら遭遇するかもしれない。そう心構えておくだけでも、危険から遠ざかることができるのです。

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