マッドサイエンティストの意味とは?実在した科学者を紹介!

映画や小説の中に出てくるマッドサイエンティストは、ずば抜けて頭がいいのに性格や考え方が崩壊していて恐ろしい事態を起こします。しかし、これは創造の世界の中だけでなく現実の世界でも起こったことなんです。過去に実在したマッドサイエンティストを紹介します。

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目次

  1. 1マッドサイエンティストとは?実在する科学者
  2. 2マッドサイエンティストの意味とは?
  3. 3マッドサイエンティスト7選
  4. 4マッドサイエンティストの映画
  5. 5マッドサイエンティストの小説
  6. 6頭が良すぎて道を踏み外してしまった科学者

マッドサイエンティストとは?実在する科学者

マッドサイエンティストというのは、常軌を逸した恐ろしいことをやってしまう科学者のことです。科学の発展に貢献する立場にいるはずなのに、普通の人では考えられないようなことをやってのけたり、非道徳的な行為に走ったりします。しかも映画や小説の中だけでなく、実在して現実の社会に悪名を残している科学者が大勢いるのです。

マッドサイエンティストの特徴は、頭が良くて純粋。強い信念を持っていて、目的を達成するまでなにがあろうとも突き進むという情熱を持っています。発想力が豊かで執着心も強く、普通の人達が思いつかないようなことを行動に移してしまいます。

こうしたことがプラスの方向に向けば良いのですが、往々にして常識や倫理観がなく、人の心や感情、その人が生きてきた過去や関わってきた人達のことに意識が向かないので、極悪非道で残酷無比な行動を取ってしまう特徴があります。

マッドサイエンティストの意味とは?

しばしば悪名高い科学者として耳にするマッドサイエンティストですが、その意味やどうして悪名を残すことになるのか。そして日本に近年実在し、悲惨な事件を起こしたマッドサイエンティストを紹介します。

直訳すると狂った科学者

マッドサイエンティストは直訳すると狂った科学者になります。狂っているということは常識が通じない、周囲の声が届かないということ。まさにそのとおりで、犯罪行為にも簡単に手を染めてしまいますし、他人だけでなく自分の命も簡単に危険に晒してしまう科学者です。

例えば、クローン羊を過去に作った科学者がいましたが、もし、この技術で人間のクローンを作り出して臓器移植のための臓器保管庫にしたり、遺伝子操作をして優れているとされる特徴だけを持った人間を産み出したりする科学者が実在すれば、まさにマッドサイエンティストになります。

頭が良くて世の中に貢献し、偉大な業績を残せる可能性があるのに、狂っていて人に道を外れてしまうのがマッドサイエンティストです。

マッドサイエンティストの行動原理

マッドサイエンティストがどうして狂った残虐行為に及んでしまうのか。その行動原理は、知識の探求や自分の力を形に表したいという強すぎる欲求です。

マッドサイエンティストは知識を追求し、理論を自分の手で具現化することに貪欲です。「AをPすればXになるはずだ」という仮説があるとすれば、実際にXを作り出すまで様々な手法で実験を繰り返します。しかも「Pすれば」という部分に常識や倫理観がないので、禁忌と言われる行為にも手を染めてしまうのです。

また、マッドサイエンティストは神の存在を信じ、神が創造主であると疑わないこともあります。神があらゆる力を持っていると信じ、自分でもその力を再現してみたいという欲に囚われてしまう科学者もいます。死者を蘇らせるとか、完璧な人間を作り出すといった行為に及ぶのです。
さらに、多くのマッドサイエンティストは実験や研究で自分の願望を叶えることに集中していて、完成したものが他者からどのように見えるか。どのような目的に使用されるか、といったことが見えていません。原水爆や生物兵器が良い例です。

なお、権力や財力の面で自分を絶対視してもらったり、自分の立場をよりよいものにしたい、と考え、科学的な成果を利用しようとする人もいます。

マッドサイエンティストはタガが外れた視野の狭い天才で、自分の能力を最大限に活かそうと邁進し、「研究や理論上の物事を実在する物として自分の力で表したい」という欲求に突き動かされ、命を軽視した行動を取ってしまうのです。

オウム真理教の科学者もあてはまる

日本で実在したマッドサイエンティストといえば、オウム真理教の科学者が挙げられます。オウム真理教は麻原彰晃(本名:松本智津夫)を教祖とする日本の宗教団体。坂本弁護士一家殺害事件や松本サリン事件、地下鉄サリン事件といった事件を起こして公安調査庁からテロリスト集団とされました。

オウム真理教が起こした事件では、信者だった科学者達の恐ろしい開発物が使われました。有名な科学者は村井秀夫です。村井はIQ180と言われるほどの天才的な頭脳を持っていましたが、道徳心や倫理観を持っていませんでした。

現実社会に希望を持てず、超人的な能力を持つと称する麻原を信じ、その指示の元でサリンやサリンを大量の巻くための機械などの開発に取り組みました。他にも現実では考えられないような兵器を想像して作り出そうとしていたと言われます。こうしたオウム真理教の信者だった科学者も実在するマッドサイエンティストです。

マッドサイエンティスト7選

世界を震撼させ、恐ろしい悪名を今も残す過去に実在したマッドサイエンティスト達を7名紹介します。中には気分が悪くなるほど酷い行いをした人も居ます。グロテスクな内容もありますので、苦手な方はご注意ください。

ロバートコーニッシュ

ロバートコーニッシュは、神童と言われるほどずば抜けた頭脳を持っていて18歳でカリフォルニア大学バークレー校を卒業した上、博士号も取得した科学者です。

ロバートコーニッシュがマッドサイエンティストと呼ばれた理由は、死人を生き返らそうとしたから!最初は犬で実験を繰り返し、死亡したばかりの犬の蘇生に成功した後、実際に人間で実験しようとしたのです。

しかも、この実験にカリフォルニア州が許可を出し、死刑囚が実験台に名乗りを上げたというから驚きです。しかし、当時の死刑はガスを使用していました。死刑執行後、ガスが抜けて部屋に入れるようになるまで時間がかかります。

死亡した直後に実験を開始したいロバートコーニッシュの願いは叶いませんでした。死を人の力で超えようとしたマッドサイエンティストの一人です。

ホセデルガード

スティモシーバーの開発者でマインドコントロールを試みたスペインの科学者と言えば、ホセデルガードです。

最初は動物の頭の中に電極を埋め込んで無線で電流を流し、動きを制御するところからスタートしました。サルやウシで成功し、実際に人間でも実験をして成功させたマッドサイエンティスト!

スティモシーバーという脳内に埋め込む器具を開発し、人間を思うままに操るマインドコントロールの方法を探求しました。ある程度、動物や人の行動をコントロールすることができた、というから驚きです。人間を物と考え、特定の価値観でコントロールしようとするのは立派なマッドサイエンティストです。

ハリーハーロウ

アメリカの心理学者で「愛」について熱心に研究を続けたハリーハーロウもマッドサイエンティストの一人として挙げられています。愛を研究したというと、とてもロマンチックなイメージですが、実際は数多の小猿を実験台にし、虐待としかいいようのない環境に押し込めたのです。

具体的には、生まれたばかりの子猿を母猿から引き離して隔離。ミルクを与えてくれるロボットと共に過ごさせました。こうして育てられた小猿は何も学習できず、同じ年頃の猿の集団に混ざることもできず、あらゆるものに怯え、生きていけませんでした。

愛がどういう状況で生まれ、子猿に通じ、子猿が愛を持って他の猿達と過ごせるのか、ということを研究したのですが、実験台になった子猿は悲惨なことになりました。ほとんどの猿が激しい攻撃性を持っていたり、ストレスが強すぎて自傷行為に及んだり、産んだ我が子を傷付けたりするという悲惨な猿になったのです。

ハリーハーロウの実験では、血の通った母親とスキンシップをはかりながら、同じ年頃の他の猿達とコミュニケーションを取りつつ生きることで愛が生まれる、と結論づけられました。愛の結論を得たものの、子猿に対する虐待行為のお陰でマッドサイエンティストと呼ばれるようになったのです。

ジョバンニアルディーニ

イタリアの医師ルイージ・カルヴァーニの甥、ジョバンニアルディーニもマッドサイエンティストに挙げられています。ルイージは死んだカエルに電気を流すと足が動くということを発見しましたが、ジョバンニアルディーニはこれを死んだ動物で再現。

ジョバンニアルディーニが生きた時代は、斬首による公開処刑が行われていた時代です。死んだ動物に電気を流して動かす様子は民衆の高い感心を惹いたと言われます。死んだ動物で成功したら、次は死んだ人間で、と考えてしまうのが恐ろしいところ。

実際に死刑囚の死体に電気を流し、目や口が開く様子や、両手足が動く様を人に見せたと言われています。ジョバンニアルディーニは電気を流すことで死体が生き返る可能性があると考えていました。死者を蘇らそうとしたマッドサイエンティストです。

ウラジーミル・デミコフ

ソビエトの科学者で心臓移植の先駆者とも言われるウラジーミル・デミコフもマッドサイエンティストとして悪名を残しています。

若くして心補助装置を開発したり、心臓の手術や心臓移植の分野で輝かしい功績を残したウラジーミル・デミコフですが、その腕を犬に奮って頭が二つある双頭犬を作り出したことでマッドサイエンティスト認定を受けました。

切断した犬の頭を別の犬の首に移植。しかも、その犬は二つの頭で見聞きができ、臭いを嗅いだり食事もできたといいます。しかも数日間生きたというから驚きです。

人間にだけその腕を振るって命を助けていればよかったものの、違う動物で違った成果を収められるか、という欲を抑えられなかったのがマッドサイエンティストと呼ばれる由縁です。

ヨーゼフ・メレンゲ

アウシュビッツ収容所の「死の天使」と言えばヨーゼフ・メレンゲです。収容所に送られてきた人々の中から実験台となる者達を選び、モルモットと呼んであらゆる実験を繰り返した人です。

3つの大学で遺伝学、医学、人類学を研究し、人類学の博士号も持っている天才で、長身のイケメンという恵まれたヨーゼフ・メレンゲでしたが、アウシュビッツ収容所で人の道を外れてしまいマッドサイエンティストと呼ばれるようになりました。

人に有害な物や病原菌を注射したり、大量に出血させたり、麻酔なしで手術をするなど、恐ろしいことをしましたが、双子に対する仕打ちは凄まじいものでした。有名なのは、双子の背中を切開して血管をつなぎ合わせ、結合双生児を作り出したことです。実験は失敗しましたが、双子だからできるあらゆることを試そうとしたマッドサイエンティストです。

イリヤ・イワノビッチ・イワノフ

異種間交配を人間で試みたソビエトの科学者と言えば、イリヤ・イワノビッチ・イワノフです。種の保全や繁殖に強い関心を持っていて、生物の多様性について数多くの調査を行ったことで有名です。

ただ、この調査が凄かったのです。異なる種の間で交配を行い、子どもができるか実験を繰り返しました。ウマとシマウマ、バイソンとウシといった比較的近しい種の間では子どもを作ることに成功。

ここで実験を終えておけば良かったのですが、チンパンジーと人間を交雑しようとしたのでマッドサイエンティストと呼ばれるように。チンパンジーのメスに人間の子を産ませようとしましたが、失敗。逆も行おうとしましたが叶いませんでした。

今でもライオンとトラから生まれたライガー、グリズリーとホッキョクグマから生まれたピズリー、オキゴンドウとバンドウイルカから生まれたホルフィンなどが確認されていますが、人間で異種間交雑をしようとするのは、やはりマッドサイエンティストです。

マッドサイエンティストの映画

過去に実在したマッドサイエンティストを紹介しましたが、マッドサイエンティストが出てくる映画も数多くあります。その中でも、社会を風刺した映画とSF映画として知られている2本を紹介しましょう。

映画①博士の異常な愛情

正確には「Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb」といい「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」と訳されます。長いので博士の異常な愛情と日本では言われています。

これは有名なスタンリー・キューブリック監督の映画で、人間が自分達の手で滅亡を導くというブラックコメディであり、痛烈な風刺映画でもあります。

冷戦時代にアメリカ軍の指揮官による誤った命令で核戦争が勃発し、ソビエトのあらゆる生物を放射線で死滅させる爆弾(皆殺し装置)が発動してしまい、人類が滅亡してしまうラストを迎える(ように見える)映画です。

登場人物の多くが異常者のように描かれていますし作品中に出てくる爆弾のことも考えると、マッドサイエンティストを描いていると言えます。

映画②ハエ男の恐怖

「ハエ男の恐怖」はカート・ニューマン監督のアメリカSF映画。リメイク作品の「ザ・フライ」もよく知られています。

物質を別の場所へ瞬間移動させる研究を行っていたカナダ人物理化学者のアンドレは、カップなどの物で瞬間移動に成功した後、自分の体を実験台にして実験を行います。しかし、自分と共にハエも転送してしまったため、アンドレとハエの体が入り交じった人間とハエができてしまうという物語です。

これもSF映画であるものの、物質を極限まで分解した後に再構築するという理論の元、人間で実験するというマッドサイエンティストの典型であると言えます。この映画のラストは人を殺すことについて考えさせられるものになっています。

マッドサイエンティストの小説

次に、マッドサイエンティストが出てくる小説を紹介します。映画などと違って映像がない分、読み手が自由に空想するので、恐ろしさや禍々しさが一層増すという魅力があります。小説の中には映画化されたものも多く、広く知られています。

小説①フランケンシュタイン

イギリスの小説家メアリー・シェリーが発表したゴシック小説のフランケンシュタインにもマッドサイエンティストが登場します。フランケンシュタインは、しばしば化け物の名前として利用されますが、小説の中に出てくる登場人物の名前、怪物を作った研究者の名前です。

大学で自然科学を学んでいたフランケンシュタインが生命の誕生の謎に迫って命を操ろうという考えに取り憑かれ、数々の死体をかき集めて怪物を作り出してしまいます。死体から怪物を産み出したフランケンシュタインがマッドサイエンティストです。

このフランケンシュタインの小説は様々な形でパロディのように利用され、数多くの作品中に登場します。2004年のアメリカ映画「ヴァン・ヘルシング」にもフランケンシュタインはドラキュラ伯爵の命を受けて怪物を作り出す(悪魔に利用されるマッドサイエンティスト)という形で登場します。

小説②ハンニバル・ライジング

「ハンニバル・ライジング」は「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」に登場するハンニバル・レクター博士を描いたアメリカの小説家トマス・ハリスの長編小説です。

ハンニバル・レクターは精神科医でありながら猟奇的な殺人を繰り返す殺人犯。幼少期に妹が食料代わりに食われるという恐ろしい体験をしたことがきっかけに、殺した相手を食す異常者になったとされています。

殺人鬼ですが誰でも彼でも殺すわけではなく、彼なりの理由があって殺すというポリシーがあります。また、豊富な知識と優れた五感や身体能力を持ち、クラシックを好んだり美食家だったり、富裕層の紳士的な態度も取る魅力的な一面も持っていて妖しい魅力を持つキャラクターとなっています。

ハンニバル・ライジングの登場人物、ハンニバル・レクターもマッドサイエンティストのひとりに挙げられます。

頭が良すぎて道を踏み外してしまった科学者

マッドサイエンティストは映画や小説の中にも登場しますが、過去に実在した科学者達も名を連ねています。彼等は頭が良すぎて道を外してしまった、ある意味純粋で心の成長が乏しかった誤った真理の探究者。マッドサイエンティストを見ていくと、人の心の闇が明らかになると言えるでしょう。

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この記事のライター
須永智尋
着物好きの2児の母。小1の壁にぶつかってフリーライターに転身しました。夜の原稿執筆を励ましてくれるハムスターが癒や...

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