「そうか、あかんか」とは?京都認知症母殺害心中未遂事件の経緯とその後を解説!

2006年に起きた「京都認知症母殺害心中未遂事件」。殺害される前の母親の言葉「そうか、あかんか」と、息子(片桐康晴さん)の状況を知り多くの反響がよせられた事件でした。「そうか、あかんか」から10年後その息子さんの現在を再びメディアが報じることになった経緯とは?

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目次

  1. 1「そうか、あかんか」とは?京都認知症母殺害心中未遂事件について
  2. 2「そうか、あかんか」とは?
  3. 3京都認知症母殺害心中未遂事件の経緯
  4. 4京都認知症母殺害心中未遂事件の犯行時の状況
  5. 5「そうか、あかんか」京都認知症母殺害心中未遂事件の裁判
  6. 6「そうか、あかんか」京都認知症母殺害心中未遂事件への反響とは?
  7. 7「そうか、あかんか」京都認知症母殺害心中未遂事件のその後
  8. 8増え続ける介護難民に対し政府の対策は?

「そうか、あかんか」とは?京都認知症母殺害心中未遂事件について

今から約13年前、当時54歳の息子(片桐康晴さん)が86歳の母親を首を絞めて殺害し、その時息子は自分も自殺を図りました。始めから自分も死ぬつもりでしたので心中とありますが、実際には息子は一命を取り留め未遂、現在も京都認知症母殺害心中未遂事件として知られています。

そしてその時にメディアで取り上げられた言葉が「そうか、あかんか」です。単なる衝動的な殺害とは違うこの事件。「そうか、あかんか」とは殺害される時に被害者(母親)が加害者(息子)にかけた言葉です。今までともに歩んできて、もうどうしようもない虚無感に包まれてしまったことがこの言葉から伺い知れます。

「そうか、あかんか」とは?

たびたび、この「京都認知症母殺害心中未遂事件」の事を記事にしたものを目にすると出て来る「そうか、あかんか」。様々な要因が重なって引き起こした事件ではありますが、事件の真相を知ると現在も「そうか、あかんか」が何故ここまで取り上げられるのかが分かります。

ことの発端は、最後に交わされた母と息子の会話です。認知症の母親をずっと支えてきた息子(片桐康晴さん)でしたが、生活苦に陥り窮地に立たされます。ここで最後の親孝行にと、親子の思い出の地である京都市内の観光にと出かけました。

認知症の母と息子の会話

親子が育った地の思い出のある京都で、息子が母親に何処に行きたいかと尋ねると賑やかな場所がいいと言います。そして、しばらく商店街などを車椅子を押しながらブラブラしていました。十分なお金が無かった為、レストランで食事をすることも出来なかったようです。

わずかな小銭で購入したパンを2人で分け、「そうか、あかんか」と京都認知症母殺害心中未遂事件の場所となった桂川で真冬の寒空のなか一夜を過ごし、2006年2月1日、母と息子の最後の言葉が交わされました。

京都認知症母殺害心中未遂事件の経緯

10年以上たった今なお、人々の記憶に残るこの「そうか、あかんか」。京都認知症母殺害心中未遂事件、息子(片桐康晴さん)が時を経て、また再び現在の状況が取りだたされたことにより改めて経緯を振り返ってみました。

母親はいつから認知症になってしまったのか、息子との関係はどうだったのか、なぜこのような事件になる前に防ぐことができなかったのかなど、経緯を見ていきましょう。

父親の病死で母親が認知症に

1995年父親が80歳で病死した頃から母親の様子が普段と変わってしまい、医師から認知症と診断されました。はっきりといつに診断されたかは定かではありませんが、病死した年頃の母親の年齢は75歳。母親が亡くなったのが85歳なので、恐らく約10年間程体調が悪い状態が続くなか2人で生活していたことになります。

認知症とは種類も万別ですが、片付けができなかったり自宅に帰る道を忘れてしまったりなど1人で暮らしていくことは難しく、誰かの手助けが必要な状態です。

長男はもともと和職人

父親は有名な京友禅の糊置き職人で、常日頃息子(片桐康晴さん)にも「他人に迷惑をかけるようなことはするな」と言うなど躾は厳しい人でした。そんな厳しい人ではありましたが、職人気質の父を尊敬し、高校卒業後からその父親の元で共に家業を営んでいました。しかし呉服業界も厳しい時代にさしかかったころ家業は廃業に追い込まれてしまいます。

母親の認知症が悪化

実家の家業の廃業後しばらく別の仕事で真面目に働いていたところ、父が病死してしまいます。その父の死後に母親が認知症診断とされてからも、息子(片桐康晴さん)も結婚はしておらず、共に母親と暮らしていました。しかし事件の約1年前ごろから母親の症状が悪化し始めます。

息子さん自身も会社からリストラを余儀なくされ、別の仕事に移るものの今まで貰っていた給料の額も下がってしまい経済状況が悪くなっていきました。

母親の介護のため休職

経済状況が悪くなるなか、母親の認知症の症状も悪くなってしまっていったのです。「キツネがいる」などと幻覚をみたり、昼夜問わず徘徊して警察に保護されたりと一時も目が離せない状況になってしまいます。夜もぐっすり寝られないため疲れは溜まる一方です。外での仕事と家での介護の両立が厳しくなりついに休職をします。

この時の介護認定は要介護1~5の中のうちの「要介護3」だったようです。デイサービスに週5回通えることになったようですが、ある程度の金額は自己負担となります。介護自己負担費は収入により1割~3割負担です。

生活保護を断られる

休職し自宅介護ができるような仕事も探したが、見つかりませんでした。週5回のデイサービスも週2回に減らすことになります。仕事を探してる時に生活保護申請をしてはどうかとアドバイスをもらい、3度も役所に相談にいきましたが、休職中だったことや未だ働ける年齢だから、と言われ断られてしまいます。

失業保険の受給中にも相談に行っており、それを理由に断られていたようです。ちなみに生活保護申請者は、介護費用の自己負担額も申請者対象の金額が決められており一般的な場合より減額されています。

お金が底をつき殺害・心中を決意

そして失業保険の給付も止まり、デイサービスにも全く通えなくなってしまいました。この時の唯一の収入は母親の年金で1ヶ月あたり2万5千円のみです。好意で安くしてもらってる家賃だけでも毎月3万円かかります。

貯金もなく、カードローンも限度額を超え、1月31日ついに次月の3万円の家賃の支払いも出来ずにいました。真面目に父の躾で言われていた「他人に迷惑はかけるな」を守っていた息子(片桐康晴さん)。そしてもう死ぬしかない、と決意することになってしまったのです。

京都認知症母殺害心中未遂事件の犯行時の状況

なんとか年を越したものの、家にも住めなくなるような状況になり覚悟をします。住んでいたアパートを掃除して遺書を置き、2人は家を出ました。わずかな小銭と死ぬためのロープとナイフをもって母親の車椅子を押しながら最後の京都市内観光に出掛けました。

賑やかな街中をブラブラし、途中レストランに入るお金もなく、そして事件前日の日の夜最後にアパートの近くの桂川の河川敷に来ます。

母親との最後と会話「そうか、あかんか。一緒やで」

日は明け、2月1日真冬の寒空の早朝「京都認知症母殺害心中未遂事件」の場所である桂川で最後の親子の会話が交わされました。

息子(片桐康晴さん) もう生きられへん、ここで終わりやで。
そうか、あかんか。康晴、一緒やで。
息子(片桐康晴さん) すまんな。
こっちへこい。わしの子や、(出来ないのなら)わしがやってやる。

母親を殺害

母の言葉に息子は意を決し自分がやらなければと思い、母親の首をタオルで絞め、そしてナイフで母親の首を切りました。そして母親にブランケットをかけた後に自分も死のうとします。

ナイフで自殺を図る

母親が亡くなった後、ナイフで自分を切りつけそれからロープを持って首をつろうとし自殺を図りました。しかし犯行から約2時間後に通行人に発見され息子(片桐康晴さん)は一命を取り留めます。

「そうか、あかんか」京都認知症母殺害心中未遂事件の裁判

2006年2月1日に起きた事件から約2ヶ月過ぎた後、4月19日に京都地裁で初公判が行われます。最終的に下された判決は異例の内容と、被告のあまりにも悲惨な状況にメディアで大きく取り扱われる事件となりました。

承諾殺人罪で起訴

母親同意のもと殺害、自らも共に心中を図ったことから「承諾殺人罪」で起訴されました。承諾殺人とはその名のとおり、被害者の承諾をえて殺人を犯した罪に問われることを表します。

検察官も弁護・減刑の嘆願書も

真面目な息子の懸命な介護の末、追い詰められた状況における犯行です。決して、命の大切さを理解していなかった訳ではないことが、伝わってきます。検察官も弁護し、地元住民や関係者から沢山の減刑を求む懇願書も提出されることとなりました。

これは日頃の息子(片桐康晴さん)の行動により、誰も責めるような状況ではなかったことと、母親を大事にしていたことは皆理解していたからです。

地裁が涙した裁判に

4月に行われた初公判の冒頭供述で、検察官が被告人の状況を明らかにしていきました。父親も兄弟もおらずたった1人で、献身的にに母親の介護を続けたことが発端となったことが、まずは語られました。

その後、昼夜問わず目が離せない状況の為仕事も続けられなくなり、生活保護の相談に3回訪れたが認められず、親類からの援助も受けず、生活苦に陥ってしまい犯行に及んでしまったことなど全て明らかになりました。

「母の命を奪ってしまいましたが、もう一度母の子に生まれたい」という供述やその語られた内容の状況に、傍聴人や裁判官も涙を浮かべ聞き入ります。

判決は懲役2年6ヵ月執行猶予3年

裁判官は、「母親は決して息子に恨みなどはなく、これからは幸せな人生を歩んで欲しいと望んでいるであろう」として、こうして息子(片桐康晴さん)は、2006年7月に京都地裁から懲役2年6ヶ月、執行猶予3年(求刑は懲役3年)を言い渡されました。

裁判官は、息子(片桐康晴さん)に温情ある判決をし「母親のためにも努力して生きていくよう」と言われていました。

「そうか、あかんか」京都認知症母殺害心中未遂事件への反響とは?

この痛ましい事件が起きた当初は様々なメディアで取り上げられ、生活保護を断られた社会福祉事務所には多くの意見が寄せられたといいます。なぜ生活保護を受けられなかったという点では、相談したタイミングも悪かったのではなどという意見も見受けられました。

ある地域での額の例として、5万円の収入があり預貯金約5万円の場合は受給できない、と記載されておりました。それでもあくまで目安とし状況に応じて相談して申請する場合もあるようです。

同情の声

2016年に再び息子(片桐康晴さん)の現在が取り上げられ、「そうか、あかんか」京都認知症母殺害心中未遂事件の内容も改めて報道されたことを受けて、また沢山の反響がありました。事件のことを知らなかった現在の世代にも痛ましい事件の詳細が知られることとなり、この被告の境遇に同情の声が寄せられます。

行政に対する批判

何故ここまで痛ましい事件が起きる前に、手を差し伸べられなかったのか、行政は一体何の為にあるのか批判が沢山寄せられました。

例えば、不正受給を受けている人のなかで、たとえ子供に稼ぎがあったとしても生活保護を受けている人もいます。しかし、本当に必要な人には行き渡っていないという現在の事実が露呈します。

困っている人がいれば、相談だけで済まされないように、とにかく申請しましょう。現在の情報ですと申請の際には各種必要な書類を出し、後に調査が行われ原則14日以内に却下か決定が下されます。却下された場合でも審査請求を求めることができるようです。

介護問題が取り上げられる契機に

この痛ましい事件がメディアで取りだたされ、詳細が明らかになるや否や、様々な反響が寄せられ人々の間で現在もなお問題とされている、介護問題が取り上げられる契機になりました。

行政では2006年4月に介護保険法が大きく代わり、介護ヘルパーさん達の収入は減ってしまっています。重労働で安い給料となると、人材を増やすのも難しいのです。しかし収入を増やそうとすれば保険料が上がることとなり生活が苦しい人にとっては厳しくなります。

そこで少しでもという対策で、2018年にキャリアのある介護者の報酬を月平均で1万円相当上げることとしました。

「そうか、あかんか」京都認知症母殺害心中未遂事件のその後

「そうか、あかんか」京都認知症母殺害心中未遂事件が起きた2006年から厚生労働省は、高齢者への虐待件数、2007年から犯罪の動機を介護疲れによるものとした件数を公表するようになったようです。新聞社では2000年に、介護保険が導入されてからの約10年間の介護殺人の背景や状況の調査なども行うようになったとしています。

そして増え続ける介護問題が取り上げられる契機となったその痛ましい事件からおよそ10年後に、息子(片桐康晴さん)現在の様子が明かされました。

息子は土木会社勤務

息子(片桐康晴さん)は事件後、土木会社に勤めることもでき、支援者へ宛てた手紙には前向きなコメントが書かれていました。勤務態度もとても真面目で休日には釣りに出掛けたりもしてたようです。

しかし61歳の時にその土木会社も続けられなくなり、貯金もなくなっていきました。それでもまた人に頼ることはなく1人で暮らしていました。

琵琶湖で投身自殺

2006年2月1日の「そうか、あかんか」京都認知症母殺害心中未遂事件から8年6ヶ月後の2014年8月1日、息子(片桐康晴さん)は自ら琵琶湖大橋から身を投げて亡くなってたことが2016年に明らかになります。現在の介護問題を抱える人達にも悲しい結末のニュースになってしまいました。

増え続ける介護難民に対し政府の対策は?

現在も介護を必要とする人が増える一方、介護者の数は少なく負担は相変わらず大きいです。しかし、利用できるサービスや制度は進んでいる部分もありますので、少しでも負担が軽減されるようにうまく活用していきましょう。無料で話を聞いてもらえるような機関もいくつかありますので、まずは悩みを相談してはいかがでしょうか。

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この記事のライター
shimeji40

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